体のことについて少し知っておきましょう。
体は、刻々と変わる環境に対して無意識に自分の体を変化させて、
できるだけいい状態で生きていけるように、いつだって働いてくれています。
例えば、呼吸、心臓の動き、消化、吸収、排泄などはもちろんのこと、寝相や「なぜ、こんなことしてるの?」というような普段の何気ない仕草までもが、体の生きるための無意識の調整運動なのです。
当たり前すぎて、気が付いていませんが、本当に私たちの体は自然に完全なんです!
それでは、知っていたら役立つ体のシステム、法則をいくつか簡単にご紹介したいと思います。
痛み、ダルさ、しびれなどの症状は体からのサインであり 治癒反応
痛み、ダルさ、しびれなどの症状は体からのサインであり
治癒反応です。
体は、自分自身の体を守り治す働きを持っています。
今まで、敵だと思っていた症状には、ふたつの役割があることを知ってください。
①その症状自体が、体の修復作業である。
(例えば)
炎症を起こす→熱を出す→血管を拡げ血流をよくして新陳代謝を高める
→壊れたものは排除し、新しいものを造る作業が早まります。
しかも痛みがあることで体は壊れた場所をハッキリと認識できて、そこに向けて体全体が連絡し合い、治す物質が運ばれてくるのです。
逆に言えば、体が壊れた時には痛みがないと治らないのです。
しびれも同様に、血流や動きの悪さを回復させるために起こっている調整運動なのです。
②今やっていることが今の自分の体に適さず、このままいけば生命の危険に関 わるので不快感というサインを出し、変化を促すという役割です。
もし、これが不快感でなければ、何事もなかったかのように、今やっていることを続けると思います。
なので体は不快感という感覚を使って、このままではいけないと思わせて、変化を促し、実際に行動させるよう仕向けてきます。
だから、人間の体は生命を守るために、痛みや嫌なことはやりたくないし放っておけないように出来ているのです。
まとめると、人間の体は、今の自分の体調に適さないことをしていると死んでしまうので「嫌やなぁ」「めんどくさい」「しんどい」などの不快感を無意識の内に起こして、壊れる前にやめさせようととするのです。
さらにこれらを無視すると、痛みなどの症状を起こし、そこを修復しながら、激しく変化を求めてくるのです。
これも、生きるという機能によって起こってきていることなのです。
体は、「伸びる(弛緩)と縮む(緊張)」で動いている
シンプルに考えてみると、心臓、筋肉、内臓、肺、こころなども人間の生命活動の全部が、伸びたり、縮んだりで動いているんです。
つまり、この伸び縮みの悪い部分に調整が入るのです。
これらは、私たちが意識してするのではなく、無意識の働きです。
寝相や普段の何気ない仕草、喜怒哀楽、痛み、風邪、下痢、なども、
この調整のために起こっているといわれています。
健康=環境の変化に対して速やかに変化できる体=伸び縮み(弾力)のよい体
体に起こっていることは、今の環境に対して自分の体を守るための変化の結果であり、経過(変わり続ける変化の途中経過)なのです。
しかも、これは同時に、体とこころの弾力を取り戻すための調整運動であるということを覚えておいてください。
「適応」と「にぶり」
変わる環境に対して、自分の体を変化させることを「適応」と言います。
とても素晴らしい体のシステムなんですが、時にこの適応が「体のにぶり」に
なることがあります。
例えば、寒いところに薄着でいると「寒い」と感じます。
すると、体の中では、この「寒い」に対して、体を引き締めて毛穴を閉めて体温を逃さないようにしたり、肝臓で糖類を燃やして体温を上げたり、振るえをだして血流をよくしたりなどの無意識の調整が始まります。
ところが、この寒いという感覚(不快感)を無視して、繰り返しているとこの寒さに「適応」してしまい、つまり慣れてしまい寒さに対する感度がにぶり、寒さが感じられなくなってしまいます。
当然、感じないだけで「寒さ」の影響がなくなったわけではなく、体の調整も遅れ、後々になってのどを腫らして熱を出して調整しなければならないというように、調整が大掛かりになってしまうのです。
体は感覚により自分を変化させているのです。
気付けば勝手に変わるように体は出来ているのです。
しかし、長期間にわたり体からの信号(要求)を無視し続けるとにぶり、気付けなくなりさらに大きな調整が必要になってしまうことがあります。
体には「高調期」と「低調期」という波がある
体には、生命を守るシステムがたくさんありますが、
是非、この「波」ということを覚えておいてほしいと思います。
高調期→体が引き締まりやすい時期
低調期→緩まりやすい時期
何のためにこの波があるのかと言えば、体はひとつのことずっとやり続ければ壊れてしまうので、それをしないように波で調整しているのです。
やる気があり、睡眠や食事が少なくてすみ、痛みに鈍く、何かしないとソワソワして、やり過ぎてしまうのが高調期の特徴ですが、
このようなテンションで生き続けたら死んでしまうのでピークを迎えると、徐々にやる気がなくなり、面倒くさくなり、集中力も続かなくなり、眠たい、食べたい、太りやすい、体の調子を崩したり痛みやいろいろなことに過敏になったりという時期に移行します。
この低調期もこのままいけば落ち込み過ぎて体が壊れてしまうので、
ピークを迎えれば、徐々にやる気が出てきます。
言い換えれば、活動期と回復期です。
人間の体は緊張して活動し、リラックスして体を修復するのです。
1日の中の波、何日おきの波、何ヶ月おきの波、何年周期の波、
波は必ずあるので、これが法則である以上
この波に乗って体を使うことをおすすめします。
低調期に無理に体を使うと向かい風の中を走っているようなもので、次に追い風になったときには走る体力が残っていないなんてこともよくある話です。
波は自分ではよく感じれますので、高調期にがんばり、低調期には必要最低限をこなし、体を回復させるように使ってみてください。
体の弾力は自分で作るものではなく、波に乗り波になることなんですね!
体は自然に完全です。
今まで不調だと思っていたことが
自分の生き方に対するバランス調整であるということに気付くだけで体は変わります。
すべてが刻々と変化し続けていくのです。
変化が滞ると苦しくなるのです。
しかし、これが生きる機能です。
スムーズに変化していくために
体の裡(うち)の要求に耳を澄まし行動する。
これがもっともシンプルに体の弾力をいい状態にしてくれる
地球生命38億年の智慧なんです。
大切なことは「気付く」ということです。
体をよりよく使っていくためには、起こってることだけを見て、それだけを問題にして、対処してるだけではうまくいかないことが多いものです。
すべてが生活するという流れの中で起きていることなのです。
その中で必死に生きていこうとする
体の努力と健気さに気付いて体を使ってくだされば、
ただ、それだけで、トラブルも少なくなることと思います。